産業医のなりたち
誤解と不幸
日本でも、女工哀史に代表される労働者搾取の歴史がありました。取引先からはボッタクリ、労働者からは搾取する、これが利益を生み出すと信じられて来たのです。
或る時、日本が諸外国と比較して、労働者の生産性の低さと労働者の疾病罹患率の高さとの間に相関関係が有ることが指摘されました。その結果、諸外国における産業医の制度が日本にも取り入れられることになりました。
ところが、企業自らが気付いて産業医をおくようにした訳ではなく、お上から強制的に、法的設置義務として定められたため、企業はイヤイヤながら仕方無く、不必要な支出として産業医を名前だけ設置するように成りました。これは、企業にとっても不幸なことでした。なぜなら、ともかく置けば良いと考えると、安かろう悪かろうの産業医が、企業側もありがたく、就任する産業医側も手抜きすればするほど企業から喜ばれたからです。
⇒繁栄と倒産